石井一男さんをご存知ですか?
お久しぶりでございます~。
10月に入ってから、怒涛のような忙しさで、
仕事関係、仕事抜きにかかわらず、会食連打で少々疲れ気味の日々。
まあ、それはそれで、すっごく幸せなんですが
今日久しぶりに、一日中自宅にいて、
暖炉のすすを取ったり、植物に水やったりしながら、
やっぱり我が家でジャージ着て、首にタオル巻いて(首筋いつも寒いから、
城崎の西村屋本館でいただいた薄めのタオルをスカーフ代わりにしてますねん、ひゃー)
家でのんびりするのも、やっぱりええ感じです。
しかし、外に出ると、いつも予期せぬ出会いや運命が待ち受けているので、
やっぱり引きこもっていてはダメなのよ~。
外に出て行かなきゃね~。
本当に縁というのは、どの方向からやってくるかわかりませんからっ。
先日訪れた神戸の島田ギャラリーもそんな深い縁を感じるところでした~。
この日は某所にて豪華絢爛な秋の宴があり、そこに参加するHさんと元町駅で待ち合わせて、一緒にそのお宅にタクシーで行く事になっていました。
で、Hさんに会うと彼がこう言ったのでした。
「ちょっとOさんところへ行く前に、山本通りの島田ギャラリーにつきあってもらえませんか?見たい個展があって、今日までなんですよ。タクシーにはそのギャラリーの前で待ってもらって・・・」
いや、そのギャラリーはOさんところの近くだし、別にぜんぜん問題ないんだけど、約束の時間は迫ってるし、そんなせわしない感じで行っても、大丈夫なんだろうか・・・と内心思っていたわたし。
そのギャラリーは小さなところでした。
壁に小さな額がかけられ、
そこには何人ものいろんな女の人の顔が描かれています。
最初はムンクのようだなーと思いながら、
でもずっと観ていると、
女神さまのようにも観音像のようにも、聖母マリアのようにも観えてきます。
何度も何度も何度も重ねた色は、光りによって
さまざまな色を生み出し、悲しいような、潔いいような、
漠然とした寂寥感も感じさせます。
・・・・とHさんが「この絵、いいよね」とある作品の前に立ったので、
へー、わたしはぜんぜん気がつかなかったけれど、
どこかビュッフェのような色使いで、木を描いた風景画で、
孤独と不安と温もりが入り混じったような作品でした。
その間、3分ほど。
Hさんはいきなり「すいません。この絵、いただけますでしょうか?」
と言うのではないですかっ?
お値段は・・・はっきり言って安くありません。
私なら2ヶ月ぐらいは十分考える金額です。
そんなわけで、Hさんはわずか10分ほどの滞在で、欲しい絵を手にしたわけですが、
「これまでいろんな人のお買い物に付き合ってきたけど、これほど即決で買われた人ははじめて見ました~」
と言うと、Hさんは、
お兄さんの家に、この作家の作品が2点あり、
いつか自分も欲しいと思ってたそうです。
なるほど~。でも、もう少し考えてっ(笑)と言うと、
「絵ってあんまり考えすぎると買えなくなるよ~ぱっとみた印象で買うのがいちばん」
と教えてくれました。
で、わたしたちはOさんのお宅に行き、淡路のウニや、天然車えびや、
あわびや、焼き松や松茸のすき焼きをいただき、ヴーヴクリコに熱燗に、
ボルドーを飲みながら、ご機嫌すぎる5時間半を過ごし、
自宅に帰ったときには、超お気楽ないつもの真夜中に突入していたにも関わらず、どうも心に刺さった何かがあるんです。
その正体は、Hさんに連れらえて観た、石井一男さんの作品でした。
石井さん(65歳)は現代にこんな画家がいるのか・・・と誰もが驚くような、
清貧の暮らしの中で、40代半ばから我流で絵を描きはじめたそう。
ガスも止められ、電気コンロひとつが炊事道具という小さな家の木製のテーブルで描かれたそんな絵が、認められたのは49歳のとき。
神戸・元町海文堂書店の島田社長の目に止まったのがそのきっかけです。
グワッシュ(不透明水彩絵の具)で書かれた宗教画のような女性の顔は、島田社長によって「女神シリーズ」と名づけられ、
その絵はうまいヘタを通り越した聖域に達していると島田さんは思ったそうです。
石井さんの個展に訪れた人の中には、じっと作品の前にたたずみ、
涙を流す人も少なくないのだとか。
これまで30回近い個展を開き、いまでは絵を描くだけで生活できるようになったそうです。でも暮らし方は昔のまんま。
ある新聞記事を読んでいたら、島田さんのこんな言葉が目に入りました。
「生き方全体が、感動を与える、現代では稀有な人」
「自分の命を削りながら描いている」
中には重い病気で入院中、
石井さんの「女神」の絵を病室にかけて、
心のよりどころにしていたという人もいました。
私は本当にちらっと見ただけで、えらそうなことは何も言えないけど、
石井さんの描く世界は、「種を蒔く人」のミレーや、
「馬鈴薯を食べる人たち」のゴッホに通じる匂いがあると思います。
ちなみにHさんのお兄さんは、子供の頃から骨董や絵を集めるのが大好きで
いまは大学で霊長類の研究をしていますが
小学生のとき、両親に、
「ピカソの絵が買いたいので、お金貸して」
と言った逸話を持つ人だそうです。
石井一男さんの個展が以下のスケジュールで開催されます。

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