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2008年8月20日 (水)

こんな時代もありました


原稿締め切り大幅に遅れまくっておる
わたくし。
ひえええーっ。
まさにお尻に火がついた状態で、
もはや、ジェットエンジンにかえて、
宇宙にまで逃避したい気分っす。
そんなわたしの元に、
ついさっき、ロンドンに住む友達からのんきに国際電話よっ。
何か緊急なのかしらん?
と思ったら、
その用件は、
「なんでもいいからさ。
森揺子の小説、送ってくれへん?
なんかめっちゃくちゃ彼女の本が読みたくなってん」

いや、そりゃ、入手困難限りない、
Michaelのミュージカルのチケットも取ってくれた彼女。
送りますわよ~。死ぬほどいっそがしいけど(ひーっ)

で本棚を整理してたら、森さんの小説が出てきて、
読み返したら、
やっぱし、あっという間に、
彼女の、あの独特の男と女の世界に浸ってしまいました~。
いや、森先生の小説は、
男と女について書かれた小説というより、
詩でもありますね~。

そんなわけで、以前書いた、
森先生の記事、発見。
そうか。こんな恋に悩んでいた時期もあったのね(遠すぎる目)
いま、おいらの頭を悩ませるのは、
原稿締め切りと、
燃料サーチャージ問題なんすが、
情けなや~。




                  森揺子さんのこと


森瑶子さんにはじめてお会いしたのは、

もう20年近くも前だ。

(ヨウコの正しい漢字PCで出ない・・・)



「情事」という、はじめて書かれた小説で、

すばる文学賞を受賞された直後だったと思う。

当時は雑誌に登場するような派手な印象はなく、

地味だけど知的で凛としてて、

いかにも東京の中流の家庭で育った奥さんという感じだった。

取材の後謝礼をお渡ししたら、

すごく戸惑われていて、そんなところにも

彼女の育ちのよさを感じた。



その後お手紙をくださったのだけれど、

そこに書かれていた言葉がわたしの心を捕らえて

離さななかった。

「壱子さんていうお名前、素敵ね。

今度小説で使わせてもらおうかしら?


あなたには他の人にはない不思議な情熱があって、

それが周囲を巻き込んでいます。その情熱を大切に・・・」



この言葉はいまも私を勇気づけてくれる。

彼女から贈られた最高のプレゼントだ。



森さんは会った人すべてに、

その人が言われてうれしい言葉や

してもらいたい行為を

さりげなく、ポンと差し出せる人だった。

人間を観察する鋭い目と

限りない優しさを持った人だった。



ある時、東京の飯倉にあるイタリアンレストラン、

キャンティで二人でご飯を食べていると


「素敵な男と一緒のときはね、デザートに洋ナシのタルトと

エスプレッソとカルバドスを頼むの。これ、おすすめ」

なんてことを教えてくださった。



当時、風林火山な恋なんてものをしていた私の相談にも

乗ってくれたが、私が

「彼の妻はきっと彼の帰りをひたすら待っているんですよね。

私、そんな夫を待つだけの人生なんて真っ平だな」

というと、珍しく大きな瞳に厳しい光を宿らせた。



「あら、そう?私は愛する人を家でずっと待つという行為、

嫌いじゃないわ。素晴らしいじゃない。そういう人生も

いいじゃない?」



私は母親に叱られたようにシュンとなった。



そうなのだ。彼女もかつてそういう妻として


退屈で愛する夫をただひたすら待つという日々を過ごして

いたのだ。

彼女はあるエッセイに書いている。

確かこんな内容。



夫が私を女として見てくれない。

もう誰も私を振り向いてくれない。

当時のわたしはセックスをやってやってやりまくりたい、

そんな自分でも信じられないくらいの飢餓感でいっぱいだった。



そんな飢餓感の中ではじめて書いたのが

「情事」だったのだ。






その後、私が

「あるとき彼の下着にアイロンがかかっているのを見つけたんです。なんか、それで興ざめしちゃった」

というと、

「その話いただき!」といたづらっぽく笑って、

当時彼女が連載していた「週刊文春」の男と女の話に、

「下着にアイロンをかける妻の話」というタイトルで

小説になったりした。





彼女は作家としてカナダに島を買ったり、


ヨーロッパをゴージャスに旅したりして、

誰もが羨む生活を過ごしたけれど、

いつもどこかで孤独だったんだと思う。

そんな人じゃなければ絶対に書けない心理描写や、

フレーズを、彼女の小説の中で見つけることが出来るからだ。



そして・・・。

森さんの死は、ボストンにいるときに知った。

ガクゼンとした。




亡くなる数年前のことだったと思う。

ある小説のロケハンでオーストラリアに行った彼女から

エアメールが届いて、

「素敵な英国人のジャーナリストと出逢いました。

すごくハンサムよ。15歳年下なの。

それでね、私のお葬式にはみんなが白いバラを持ってくるんだけど、彼だけには真っ赤なバラを持ってくる権利を与えたの」




彼女は自分の死を予感してたのだろうか?



私の現在の恋愛感や人生観は森さんに強く影響されたと思う。

そして彼女の親友でもある安井かずみさんにも。



ふたりは親友だった。

ふたりとも、とても女性らしかったけれど、

ハンサムな女たちでもあった。


そしてこよなく可愛らしかった。

安井かずみさんが亡くなって、その後を追うようにして

森さんもなくなった。

ふたりは私がお手本にしたいと憧れるロールモデルだった。



生前、森さんは何かにつけて言っている。

「何よりもカナシイのは忘れられた女。

だから私のことを忘れないでね」




私はいまも時々彼女の小説やエッセイを読んでは

いいな、やっぱり森さんだ・・・と

読むたびに新しい発見をしている。

男と女を描かせたら、彼女の右に出るものはいない・・と

思う。





そんなとき決まって思い出すのは、

最後に彼女と会ったときのことだ。



代官山のレストランに少し遅れてやってきた彼女は

いつものようで艶やかで、セクシーだった。



でも、ナイフを持つ手をふと見ると、

右の中指にブルーのインクの染みが滲んでいた。

きっと出かける寸前まで原稿を書いておられたのだろう。

忙しい中、かけつけてくれたんだ・・・と

なんだか胸が痛くなった。

そのときの、彼女の愛用のモンブランの

ブルーのインクは、いまも私の大切な思い出の色。



いまの文壇の中には、

彼女ほど私の心を惹きつける作家はいない。

森さんが生きておられたら、

いまどんな小説を書かれたのだろうか、と思う。




彼女の新作を読めないことが、とても残念だ。

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こんな時代もありましたを参照しているブログ:

コメント

私も森さんの書くものに影響を受けました。
香港へ行ってみたりバンコクのオリエンタルホテルに泊まって
エステを受けてみたり・・・

森さんは私の通うジムのご近所にお住まいだったらしく
時々そのあたりが出てきました。
あ、この踏み切りはあそこ
このお店はあれだわ!

SATCのサマンサの刑務所の中でもムダ毛の処理・・・ではないけど
森さんの小説を読むと
「“ご婦人”として、いつもちゃんとしてなくちゃ!」と思ったものです。
私も森さんの小説、読み返してみようかな・・・

はじめましてマダム!

同じ関西にマダムのような女性がいるなんて嬉しすぎる、と思いながらいつもお邪魔させて頂いております
そのマダムが私も敬愛する森瑤子さんと親しかったなんて素敵すぎます

私にとっても森さんは女性としての生き方のお手本なのです

また機会がありましたらマダムと森瑤子さんの他エピソード読ませてください

ありがとうございます


マダムさまさま。

20代の前半に嵌った森瑤子さん。
けれど一時期、”彼女の作品が好き”と
素直に言えなくなってしまった時期がありました。
ちょうど彼女がデビューしたのと同じくらいの年齢だった頃かなあ。
嫉妬じみて、ひねくれていたんですね、きっと(なんと厚顔なことか!)。

作品と接するだけでも、あのムードにやられたのに
ご本人にお会いになって交流を持たれたマダムが
うらやましいとしか言いようがありません!
彼女の生き方自体がまるまま作品ですよね。

ああ、なんだか急に読み返したくなりました。
実家に置いてある大量の本を引き取りにいこうかなあ。
いや、それとも彼女が精魂込めて訳したのに
まだ未読の”スカーレット”を読もうかなあ。

ribbonマダム 大好きな森瑤子様のお話に目が釘付け。

森瑤子様にマダムがネタを提供!!素晴らしい!!

素敵過ぎ!!森瑤子様亡き後はマダムしか居ないと以前から

お伝えしてましたがまさしくその思いは強く。。。heart04

イギリス人の旦那様との間には小説家になられてからかなりの

溝があったそうですが。。。お父様の追想本でも確認。

涙で読み進めませんでした! 男と女の艶やかさが書ける

最高の作家でしたね!マダムにピンクシャンパンで乾杯!!

barcherrylovely

マダム~~!

情事とは対極にいる、モンチッチキキではありますが
森瑤子さんの小説は大好きでございました。
『ホテル・ストーリー』『ハンサム・ガールズ』『アイランド』
『香水物語』もう、もう、たくさんたくさん読みました。
そして、かっこいい女性が大好きになりました!
私の女好きは森瑤子さんの影響ですね!!(汗っ!)

香水物語でオーソバージュが印象に残り
以来、ず~~っとつけています。メンズにしておくのは惜しい!

もう一度、読んでみたくなりました!
時を経て、感じ方も違っているのでしょうね??

マダム、
初めてコメントさせて頂きます。
もう何年になるでしょうか、センスがよくて、
ぐいぐいとひきつけてやまず、
時にプッと笑える日々の文章を楽しく拝読しております!

森さんの小説はずっと気になりつつ、
忙しさにかまけて読めずにいましたが、
マダムの絶妙な解説を読んでどうしても読みたくなったので、
ついにオンライン注文しました!

生まれてこのかた東京在住なのですが、
主人が近いうちに大阪に転勤することになりました。
これまでのマダム日記の中で書かれていたお店などを
あらためて見直してピックアップさせて頂いております。

今後の最重要課題は、私が大阪に引っ越すかどうか、です。
(私は私で仕事があるのでしばらく悩むことになりそうです。)

突然お邪魔しまして失礼致しました。
これからも楽しみにしております!

☆よっしーなさまっ

森さんにはわたしも思いっきり影響受けました。
特に男と女のついては(笑)。

森さんのお宅にも伺ったことがあります。
よっしーなさんが通っておられるジムって、
ハイクラスなところなんですね~。

いやほんとに、森さんは
独特の美学をお持ちでした。
ほんまにカッコいい人でした。
また森さんの話、よっしーなさんといろいろしたいです。

☆ふみさま

はじめまして。
素敵なコメントありがとうございます!

森さんのファンなんていいながら、
搖子なんて字を書いてたら、失格ですよね(汗~)

森さんとの思い出のエピソード、
数え切れないほどあるので、
またおいおい書いていきますね。
ふみさんのような方に読んでいただけるなら、
すっごくうれしいです。


☆aya こと A さまっ

わかります、わかりますっ。
実はわたしも一時期、もう森さんの小説を読むのは
しんどいなーと思ってました。

スカーレットも実はまだ読みきってません。
でもそろそろまた森ワールドに浸りたい気分。

なかなか公表しにくい話もありますが(だからそこがおもろいねんけど)、
こんど、あーぼんあたりでお会いしたときに
あれこれお話したいなーなんて思っております(笑)
(あーぼん、めっちゃ美味しかったです。またいきたやー)

数年前は恋の伝道師とも呼ばれていたわたしですが(ひーっ)
最近は色気から10000メートルぐらい、
離れております(号泣)

このあたりで、ちょっくら艶のある女にもどらなくてはあああ。
それには森さんの小説読むのがいちばんですよね。

☆ジウさまっ

ひやああああーっ。
そんな風に言っていただき、もう、うれししぎます。
光栄すぎます。
が!
きっと森瑤子ファンが聞いたら、
青筋立てて怒られるかもーーーーーっ。
ご主人のブラッキンさんにも一度お会いしたことがありますが、
ほんとにいろいろ確執があったんですよね。

お父様の追想本、出版されてたのですか?
知りませんでした。
すごく読んでみたいです。

お嬢さんが書かれた貝殻の歌(でしたっけ?)
あの本も涙なしでは読めませんでしたっけ。

☆キキさま

とんでもございませんっ。
情事とはもはや5億光年は離れているまつざわです(ひーっ)。

森さんって、つくづく女性の味方でしたよね。
女を描くとき、あまりえげつない人がいなかったと
思います(笑)

その点、林真理子の描く不幸な女性は
ちょっとえげつない(いえ、そこがいいんですけどね)

私も森さんの影響で一時
オーソバージュをつける男が好きになったことがありましたっけ(遠い目)

☆キャメルさま

はじめまして!
うわっ。そんな前からご覧いただいていたんですね。
すっごくうれしいです。

森さんの小説は、何度読み返しても、
その時々で感じ方が違っておもしろいんです。
またご感想などぜひ教えてくださいね。

まあ。ご主人が大阪にご転勤?

キャメルさんはお仕事もおありだし、
やはりすぐにお引越しされるのは大変ですよね。

しばらくはウィークデーは東京、週末は大阪という感じで、
美味しいものをご主人と食べ歩かれては
いかがでしょうか(なんて勝手なことを申し上げてすみません・・)

また大阪の美味しいもの情報で何かお役に
立てることがあれば、
いつでもご遠慮なくおっしゃってくださいね~。


一度は放置しようと思ったブログでしたが、
キャメルさんのコメントいただき、これからも
なんとか続けていきますね。
すっごく励みになりました。
ありがとうございますっ!

はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいています。

森さんとともに、安井かずみさんも私にとって憧れの女性でしたので
(一度だけお目にかかった事があります)
懐かしいお名前を見つけて、おもわず書き込んでしまいました。
マダムさま(ブログから伝わってくる人柄、というか魅力)も
まさしく、このお二人と同じような香りを持つかたですよね。
これからも、陰ながら応援しております。

☆Mさま

はじめまして。
うれしいコメントいただき、
めちゃくちゃ感激でございます。

まあ、森さんともお会いになったことがあるんですね。
安井かずみさんのことも、
今度書きたいなーと思っていますが、
おふたりは本当にかっこいい大人の女性でした。

わたしにとって、永遠の憧れです。
とても彼女たちの足元には
及ばないわたしですが、
努力したいと思います。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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